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医院ブログ

SEET法について①

こんにちは、培養室です。

最近はだいぶ暖かいですが、来週からまた寒くなるようで寒暖差が怖いですね。

皆さま体調を崩されてはいませんか?

私は先日、晩白柚の皮を湯船に浮かべて温まりました🍊

柑橘系のいい香りが…✨

 

さて、本日はSEET法についてご説明します。

正式名称を

“子宮内膜刺激胚移植法:Stimulation of Endometrium Embryo Transfer ” といい、

頭文字をとってSEET法(シート法)と呼んでいます。

 

まず着床の機構を簡単に・・・

自然妊娠において、卵管で受精した受精卵(胚)は細胞分裂を繰り返しながら5~6日間かけて胚盤胞と呼ばれる着床が可能な段階まで成長を進め、着床する場である子宮へゆっくりと移動します。到着すると胚は子宮内膜に接着し、内膜へ潜り込みながら侵入した穴が塞がれ、着床が完了します。この胚の成長や胚が“子宮へたどり着く”というのも重要ですが、更に着床の成立には胚盤胞を受け入れる子宮側の準備も必要不可欠となります。

 

この子宮側の準備に、卵管の中で成長しながら胚が子宮に向けて送る伝達物質(シグナル)が関わっているとされています。子宮内膜はこのシグナルをキャッチして数日後に子宮に到着する胚の受け入れ態勢を整えるために準備を始めます。

この胚(赤ちゃん)と子宮内膜(お母さん)のクロストーク(会話)が大事なのです☆

SEET法は受精卵が成長過程で排出した伝達物質ごと培養した液を凍結保存しておくことにより、体外受精においても自然妊娠と同様のシグナルを子宮に届けることでより着床しやすい子宮内膜の状態を作り出し、妊娠率の向上を促進する技術になります。

 

更に簡素化していうと、着床直前の胚を子宮にお戻しする前に『赤ちゃん(胚)がくるぞ!!』という胚由来のシグナルを子宮に届けて着床の為の前準備をさせておく。という感じです。

日本産婦人科学会は、多胎妊娠を防ぐ観点から、原則1個の胚移植を推奨しています。SEET法の最大のメリットは移植に用いる胚盤胞を1個にすることで、多胎のリスクを回避しつつ、2段階胚移植と同様の着床の促進を期待できることにあります。

 

以上が大まかなSEET法の説明となります。

また、当院では胚盤胞凍結ができた方のみSEET液として培養液を凍結しています。

 

・・・熱が入り内容が更に長くなりそうだったので今回はこの辺で🐰🥕

まだまだいけるわ!!という方は次回“2段階胚移植とSEET法の違い”についてご説明しようと思いますのでお楽しみに(^^)

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